もっと言っちゃうとアントニオーニはロッセリーニから枝分かれしたこと、ベルイマンは『夏の遊び』をマイ・ブリット・ニルソンの涙で解決してしまったこと(ここが決定的な分かれ道だったと思う)、その後でリスクを冒さなくなっていったこと・・・それは二人に影響を受けたらしい作家たちの作品にも絶えずつきまとう一つの限界になっていて・・・個人的に見直すことがあるのは・・・アントニオーニなら『ある愛の記録』『ある女の存在証明』、ベルイマンなら『インド行きの船』『女はそれを待っている』『魔術師』『仮面 ペルソナ』・・・どっちかと言えばマイナーな映画だ(ベルイマンのメジャー作品は今見ると退屈すぎる)。
ただ絶頂時のアルトマンと同じことをキラ・ムラートワやレゾ・エサーゼ(『ナイロンのクリスマス・ツリー』)が旧ソ連圏でやってるのに、いま一言も語れないのはマズいやね。操作されてると思う、確実に。ウン。
ベルイマンとアントニオーニねぇ・・・そういやディーノ・リージ(91)がコメントで「ミケランジェロも運がないよね・・ベルイマンの後で死ぬなんて・・・あいつの映画は好きじゃなかったけど」とか言ってたな(笑)。ただベルイマンもカール・ゴッチの後で死んでたけど(この「決めごとによる力比べの偉大なる見せ物」であるプロレスの神様追悼にはボリス・バルネット『レスラーと道化師』と堀禎一の素晴らしい『色情団地妻 ダブル失神』がベスト)・・・ぶっちゃけここ25年くらいアントニオーニもベルイマンも、『プレイヤー』以後のアルトマン同様「オマケ人生」だったと思うが(それは否定すべき人生ではない、でないと後で絶対自分にはね返ってくるからなw)・・・
©Akasaka Daisuke